2012年12月5日水曜日

「世紀末には地球の気温は4度から6度上昇」:

_




NICHIGO PRESS 2012年12月4日
http://nichigopress.jp/ausnews/world/45899/

「世紀末には4度から6度上昇」
CSIROの研究者らが警告の報告書

 連邦科学産業研究機構(CSIRO)の気候学者らが新しくまとめた報告書で、
 地球の気温が21世紀末には現在より摂氏4度から6度高くなる方向に向かっていると予測
している。

 カタールの首都ドーハでは国連気候変動問題会議が開かれているが、科学者からは、温室化ガス排出をさらに削減するよう政府に対して働きかける声が大きくなっている。
 CSIROのペップ・カナデル氏らがまとめた「Global Carbon Project(地球カーボン計画)」報告書が論文誌「Nature Climate Change」に掲載されており、
 「世界経済が弱まっているにもかかわらず、炭素排出量が昨年は3%増加、今年は2.6%増加している。
 このような増加率はショッキングだ。
 私たちの分析では、2012年末までに世界の化石燃料による年間二酸化炭素総排出量は未曾有の360億トンに達しようとしている。
 この数字の意味を考えると、これは1990年の総排出量を58%上回っている。
 この1990年という年は京都議定書で排出量削減の基準になっている年だ。
 しかも、現在の排出量増加率は90年代のそれの約3倍だ。
 この傾向が続けば、世界各国の政府は危険な気候変動を回避するチャンスもないことになる」
と述べ、さらに、
 「私たちが今以上の行動を取らず、この傾向が続けば、2100年には気温が現在より4度から6度高くなる」
としている。

 国連は気候変動を抑える目標値として2度という数字を選んでいるが、報告書の予想はその2倍から3倍の数字になっている。
 しかも、いくつかの発展途上国がこの輩出率増加に拍車をかけている。
 中国の場合は2011年に排出量が9.9%増加しており、その前年の増加率は10.4%だった。
 その結果、中国の二酸化炭素排出率は全世界の28%に達しており、アメリカの排出量は世界の16%に達している。
 人口1人あたりの排出量でなら、アメリカは中国の2倍程度になる。

 カナデル博士は、
 「アメリカとヨーロッパの景気が沈滞していることを考えるとこの増加率はかなり問題だ。
 昨年の世界全体の炭素排出量増加率の80%が中国の排出量増加によるものだった。
 しかし、アメリカとヨーロッパの排出量増加を見ると、両経済が沈滞から抜け出し始めているのかとも思う」
と語っている。
 また、世界経済のGDP単位炭素排出率を見ると、2005年以来改善がぴたっと止まっている。
 また、炭素排出量をエネルギー源別に見ると
1.石炭が43%、
2.石油が34%、
3.ガスとセメント生産が残り
を占めている。
 報告書によると、
 「気候温暖化を摂氏2度に抑えることは可能だが、そのためには炭素排出量の伸びが一気に止まり、その後急激に減少しなければならない。
 世界的に大規模で一致した努力がなければ、間もなく2度の目標も達成不可能になる。
 結局、もっとグリーンなエネルギー源を増やすことと、二酸化炭素排出量よりも回収率の方が高い状態にならなければならない」
と述べている。(NP)




【人口爆発から大飢餓へ】



__